ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「どうしてそんなこと……」


こんな状況と泣き顔を
見られたことに動揺して、
慌てて手の甲で涙を拭う。

そんなことしたって今さら
なのは、重々承知してるけど。


「――逃げられるのは
好きじゃないから」


歌うようにそう言って、
柚木クンはもたれてた
木から身を起こした。


そして一歩、また一歩と
あたしの方へ進みながら、
言葉を続ける。


「オレの言うこと聞かないで
つまんない彼氏の所に行く
とか、許さないし。

でも――邪魔するまでも、
なかったみたいだけどね」


「……………っ!!」


どこまで感づいてるんだろう。


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