ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
年寄りじみた言い方だけど、
情が移ったって言うんだろうか。


この冬の寒い中、強引に
出ていけと怒鳴ることも
出来ないし、会社に来て
くれないと上司としても
困るし……。


そんなことを言い訳の
ように胸の内で繰り返して、
結局、今日を迎えてた。



「――荷物、それだけなの?」


荷物をリビングに入った所に
置いたまま、まずトレンチ
コートを脱いでる柚木クンに、
つい怪訝な声で聞いてしまう。


『千晶は仕事でいないから、
留守のうちに荷物を取ってくる』
と言って出て行った柚木クン。


持てる範囲の荷物なのは
わかってたけれど、それに
しても、この荷物は少ない。


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