ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「……………?」


忘れてるってどういうこと
なんだろう。

曖昧で、何だかよくわからない。


あたしの怪訝な表情は見て
気づいたと思うけれど、
柚木クンはそれには触れる
ことなく、こう続けた。


「オレには最初からわかってる。

だから自分の家も持たないし、
仕事だって……必要なら
ちゃんと役に立てるように、
いつでも準備してるんだ。

これ以上、何を求めるって
言うんだろうな――」


「柚木クン……」


その言葉はもう、あたしに
向けられたものではないと
気づいて。


あたしは何も、言い返す
ことができなかった……。





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