執事の恋人~召しませ。お嬢様~
私たちは人の視線を避けるようにバルコニーに続く、扉のそばに移動。


「写真で拝見するよりも本当に美しい方だ…」


「ありがとうございます・・・」


私はお世辞だと思いながら、愛想笑いを浮かべ、礼を言う。



「お世辞ではありません。本心ですよ。春華さん」



大久保様は私の真意を見透かしているように言葉を紡ぐ。

「・・・」



大久保様の車椅子の後ろに控える斗希は眉一つ動かさず、直立不動で私たちの会話を聞いていた。



「ありがとうございます・・・」



何と返せばいいのか…分からず…同じ言葉を繰り返した。


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