無題
それは突然に
3月末。


合格者は、高校の制服と体操服やシューズやカバンなんかを購入しに行かなきゃならない。
勿論、入学予定の高校へだ。


前日からあたしは楽しみで仕方なかった。
「落ち着かない~あ!そうだ!メールして裕美に聞いてみよ!」
考えてみれば裕美とはずーっと同じだ。なんせ、幼稚園からの友達だもん。まさか、高校まで一緒だとは思わなかったけどね。


「裕美~明日何時に高校行くの?うちは、お母さんが仕事昼まで行かなきゃだから2時頃うちを出る予定だよ~o(^-^)o」

…はやっ!
さすが裕美~、返信はやっ!笑

「うちもお昼から行くの。てか、だったらさ~、一緒に行かない?!お母さんきっといいって言ってくれるよ(*^_^*)うちの車に乗っていきなよ。迎えに行くし。」


あたしはおもいっきり笑顔で「ひゃっほー!」大声で叫んだ。


夕方、パートから帰ったお母さん所までダッシュ。
「お母さん、明日の制服購入さぁ、裕美と一緒に行きたい!うちまで車で迎えに来てくれるって~!ねぇ、いいよね?」

「え?なぁに?二人でいつの間にかそういう話になってたわけね?笑。じゃあ、裕美ちゃんの家に電話入れて確認しなきゃね。優子さん、もう仕事から帰ってるかしらね?」

ずっと私達が仲良しだった事もあり、親同士も仲がよく、下の名前で呼びあっていたりする。ただ、最近は二人ともパートに出はじめたので連絡は取り合っていないようだった。

…きっと、お母さん達も久々に会えて嬉しいんじゃないかな?…
あたしはお母さんの弾む声を聞いて更に明日が楽しみになってしまった。


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