【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
でも、康平じゃ埋まらない。


自分から誰かを愛して初めて埋まっていくんだろう。


裏切られたり、別れたり、そういう傷つく怖さよりも、自分の気持ちが大きくなったらきっと変われるんだ。


それが直樹なのかは分からない。


この先、そういう人に出会えるのかも分からない。


私は、誰かを心の底から愛することなんてできるのかな…。


そんなことを、楽しそうにパレードを眺める康平の横顔を見つめながら考えていた。


だけど、答えなんか出なくて、出たのは康平と別れようと思った気持ちだけ。


これ以上康平を振り回したらダメだ…。


寂しさとか、傷つけるのが怖いとか、そんな全部自分の勝手な理由だけで付き合い続けたらいけない。


卒業すれば自然消滅するだろうなんて考えてるくらいなら、今きっぱりと別れた方が康平のためなのかもしれない。
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