透明な水
「入院なさっては、どうですか?」

抑揚のない声で若い医師が言った。

「呼吸が苦しいでしょうし、痛みもあるでしょう。」

「入院はしたくないんです。積極的な治療もしたくないんで…。」

「そうですか。在宅酸素は入れた方がいいです。あと、強い鎮痛剤も処方しましょう。」

「鎮痛剤の副作用って、ありますか?」

「吐き気があったり、眠くなる事もありますが…」

「後…どれくらいなんでしょうか?」

若い医師は、ため息をついた。

「2ヶ月から6ヶ月でしょうか…早まる事や延びる事もありますけどね。」

2ヶ月か… なんとか、明日見の誕生日までは大丈夫だろうか…
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