可愛くない同居人。
まだまだ活気あふれる廊下を歩きながら、凛に聞いた。
「何食べたい?」
「なんでもいいです」
「えー、なんでもいい禁止。何かリクエストしてよ」
凛は少し考え、じゃあと言って奥にある教室を指差した。
「ベビーカステラ?」
「はい。ダメ、ですか?」
やや首を傾け、ちょっぴり悲しげな表情をし、ダメとは決して言わせない雰囲気を漂わせるテクニック。
ずるい。
「ダメなわけあるかい!なんぼでも買ったるわ!」
「一袋だけでいいです」
私たちは早速列に並んだ。