可愛くない同居人。
「凛!?どうしたの?寒いの?」
「・・・い、いえ」
絞り出したような声も震えていて、今にも泣きそうであった。
「大丈夫?」
とりあえず意味があるか分からないが、背中をさする。
「・・・すみません。暗くて・・・狭いところが苦手で」
ああ、だからあんなにお化け屋敷に入るのを嫌がったり、怖がったりしていたのか。
「意外ね。凛、苦手なものなんてなさそうなのに」
震えが止まらない。
よほど苦手なんだろう。
「大丈夫だよ。私がそばにいるから」
少しでも安心させたい。
そう思って、拒否される覚悟でそっと優しく抱きしめる。