天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
大混乱のカフェ。

一般客も店員も、完全に脅えてしまっている。

そんな最中。

「!」

イリアは店員の手にした、盆に載せられたカフェオレを目に留める。

「出麼さん、少々お放しを」

「え?」

イリアに言われて、出麼は彼女を解放する。

解放されたイリアは店員の手から、盆のカフェオレを受け取り。

「きっと気が立っているから争いになるのです」

カフェオレのカップの中に何やら粉末を注ぐ。

「さぁ皆さん、お茶でも召し上がって冷静になって…それからもう一度話し合いましょう」

淀みない洗練された動きで。

イリアは出麼、チカ、真菜の三人にカフェオレを振る舞い、恭しく頭を下げる。

その仕草、この上なき可憐さ。

三人だけでなく、その場にいた全ての人々がイリアに魅了される。

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