天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
確かに出麼はこういった自然環境の中での行動にも慣れている。

たとえ山奥に何一つ道具を持たずに投げ出されたとしても、何ら困る事なく何ヶ月も生きていけるだけの技術とバイタリティを持っている。

それに彼女は一人ではない。

甃という強いパートナーがついているのだ。

下手な人間よりも頼りになる野生動物。

彼がいる限り、猛獣に襲われても出麼は対処できる。

「別に一人で平気。お前ら邪魔」

「邪魔って…そんな言い方…」

折角怖いのを堪えて追いかけてきたのに…。

ナイーブな秋帆は少し傷ついた顔をする。

「そんな事言わないでよ出麼さん…私達友達じゃない」

雛菊の言葉にも。

「一週間かそこら一緒に居ただけ。友達違う」

出麼はプイとそっぽを向く。

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