君のためにできること
「シエル、やっぱりお前のことをなつきに話したほうがよかったかな?」


「別に、あなたの勝手だし」


シエルは外で、なつみの声では、話さないようだ。彼女は、俺と二人きりの時しか、なつみの声で話さない。



冷え切った表情のシエルが、人形のように思える。こういっちゃなんだけど、感情が見えない。喜んでいるのか、怒っているのか、哀しいのか、楽しいのか。人間の感情が欠けている。



見え隠れしないシエルの本当の素顔は、こうなのだろうか?なつみに変わるときだけ、感情が表に出る。


俺は、シエルに言いたいことをぶちまけた。彼女は、なつみの声で、俺を慰めてくれるだけで・・・。





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