最低王子と小悪魔女

「波月は素直じゃないから。多分こーいう場所を選ぶと思った」

「どこで見てるかとかそういうことじゃなくて!」


 わかってて言ってる。こいつ。
 しかも目隠しから逃れようとするのに、反対の手を肩の辺りに回されて、身動きが取れなくなる。


 ――やばい。あたし今、かなりドキドキしてる。

 でも死んでも悟られたくない。そんなこと。
 バレたらそれこそ、慎吾の思うツボじゃないか。

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