「よっしゃ!んじゃ、その方向で行こうぜ!サキもそんな気にすんな。オレも気にしねぇから。」

ニカッと歯を見せてシュウが笑う。


「うん、ありがとう。」

オレも笑い返しながら頷いた。



「んで、おたくらはどうすんの?一応、オレらの敵だよね。」

変に馴染み始めた2人に対してシュウはきょとんとしながら言った。


「今ここで捕まえる?」

オレのその問いに女は渇いた笑い声で「…冗談でしょ」と言った。

鬼の力を目の当たりにし、その強大な力には懲り懲りしたようだ。



「でも、高額な報酬がもらえるってことでサキの捕獲を引き受けたんだろ?」


捕獲…って。猿じゃあるまいし。

若干シュウの言葉にムッとしたけど、シュウのギャグだろう、ということで目をつむることにした。



「そうなのよね…。ここであなたを捕まえたいけど、さすがに…。」

男の方を見ながら女は言った。男は情けないのだろうか、険しい顔をして女から目を逸らした。


そして、その場に静寂が訪れる。




何年も追い求めて来た目標が今自分たちの目の前にいる。

けど、その強大な力から捕らえることが困難。

でも、今ここで逃がしたら他の賞金稼ぎに捕まるかもしれない。ま、オレは捕まるつもりは全くないけどな。



そんな葛藤をしてるのだろう2人をオレたちはただ黙って見つめていた。


オレは、ホントは敵に対してこんなこと思っちゃいけないんだろうけど、

この2人と旅したいと思った。


歳も近いだろうし、一緒にいて窮屈じゃない。むしろ楽しいかもしれない。


もっと2人のことを知りたかった。




< 45 / 51 >

この作品をシェア

pagetop