LOVE STORIES
LOVE&MEET
 季節はすっかり冬となり、外はクリスマスを待ちきれないようにイルミネーションで彩られていた。

 本来であればこの時期は彼女と過ごさなくてはいけないのだが、あいにく拓也にはその相手はいなかった。

 だからと言って、ムードも何もないチェーン居酒屋でしかも男友達と酒を呑む必要もないのだが、今日は潤一にどうしてもと言って誘われた。

 今日はどうしても呑みたい気分なんだと言っていたが、潤一の場合は年中呑みたい気分なので今日が特別なわけではない。大学に入って酒を覚えてからひたすら呑みまくっている。

「いやあ、たまには男同士ってのもいいよな」

 潤一は中ジョッキに注がれたビールをグイっと呑んでから言った。

「何でお前と二人で酒なんか呑まなきゃいけないんだよ」

 拓也もビールを呑む。この寒い中であってもビールはうまい。

「俺の周りで彼女いないのお前だけだもん。一人で寂しく家にいるよりましだろ」

「お前も他人のこと言えないだろ」

「だからこうやって出会いを求めて居酒屋に来てるんだろ」

「ナンパでもする気かよ」

「当たり前だよ。お前、このまま男二人で呑み続けるつもりだったの?」

「やめとけって。恥かくから」

「馬鹿にすんなよ。俺なら出来る」

「実績はあるの?」

「俺は過去にとらわれない主義だ」

「何だそりゃ」

「とにかくクリスマスまでに彼女を作るんだよ」

「俺クリスチャンじゃないし」
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