LOVE STORIES
LOVE&STEP
　他人と深く関わるべきではない。これが十八年間生きてきた中で得た教訓だ。


　もしかしたら、誰かと生きていくからこそ楽しいことがあるのだと言う人もいるかもしれない。

　確かに、人とのつながりが辛い出来事を生むかもしれないが、その分楽しいことだってある、と。


　しかし、その楽しいことが辛いことよりも多いと言い切れる人はいるのだろうか。

　もし、必ずしもそうでないのなら、他人との関わりなど持つべきではないという証明になるのではないか。


　また、人生はいいことと悪いことは同じだけあると言う人もいる。

　これを当てはめてみると、どうせ五分になるのだから他人と関わろうが大して意味はない、だから他人とのつながりがあってもいいのではないかと言うかもしれない。

　だけど、これは間違っている。

　なぜなら、辛いことと楽しいことは等価ではないからだ。

　楽しいことなど一度寝れば忘れてしまうが、深く傷ついたことはいつまで経っても消えることはない。

　辛いことが一つあったなら、楽しいことは十個も二十個もないとその天秤は釣り合わないのだ。


　たった十八年の人生だが、もはや取り返しのつかないほどに辛いことを背負ってしまっている。

　残りの人生を使ったってそれを返済することは不可能だ。

　なら、いっそ死んでしまおうかと考えたこともある。だけど自殺はしなかった。

　もちろん、これから先にいいことが待っているなんて考えたわけじゃない。

　今、生きているから死なない。ただそれだけのことだ。
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表紙・目次

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