ポーカーフェイスとあまえんぼ
あー、恥ずかしすぎる。
そうこうしているうちに見慣れた風景が目に入る。
「っあ、ここ、私の家だから!!」
私は目の前の一軒家を指差した。
「へぇ……。
意外と近いんですね。」
「うん。」
『……。』
お互い何もしゃべらない。
「じ、じゃあ、帰るね!!送ってくれてありがとう。おやすみなさい。」
私は沈黙を破ってそう言うと、家に入ろうと葵くんに背を向けた。
パシッ。
「……ぇ?」
葵くんに腕を捕まれて、驚いて葵くんを見た。
「ぁ……、すみません。」
「ううん……?」