Liberty〜天使の微笑み
肩に置かれた手が、とても温かくて。大きいなとか、ふだん考えないようなことに意識がいってしまって……まだ、言葉がうまくまとめられない。
黙る私に合わせているのか、橘くんも黙ったまま。でも、さすがにこのままでいるのは、それはそれで恥ずかしいから――俯きながらだけど、ゆっくり、橘くんの方を振り向いた。
未だ、肩には手が置かれたままで。泣き出しそうな、そんな感覚が胸に湧き上がってきて……鼓動の速さは、どんどん増していくばかりだった。
「…………」
「――――もし、さ」
ゆっくり、言葉を発する橘くん。耳を傾けると、やわらかな声が、私の耳に入ってきた。
「オレのこと意識してるなら……うれしいよ」
ハッとして顔を上げると、とてもうれしそうに笑う橘くんの顔が見えた。
う……うれ、しい?
そんなの、本当に私……っ。
自分のことを好きなんじゃないかって、自惚れてしまう。
好きだって言われてないけど、これが告白だと言われればそうかもしれない言葉だけど。そんな都合よく受け取れる度胸は……私にはないよ。
「……ぉ、いぅ…い、み?」
だから、ちゃんと聞かないと。
どんな意味で言ったのか知りたい。知らないと、この先似たような言葉を囁かれれば、一人で舞い上がってしまいそうだから。
「――そんなに、意味が知りたい?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら言う橘くんに、私は首を縦に動かした。