Liberty〜天使の微笑み
第5話 拒絶する心


 断りを入れてから、カレの態度が少し変わった。

 いや、変わったって言うのはおかしいかもしれないけど……今までのような、嫌な雰囲気が和らいだ気がしていたのに。


「これ、誰かに見せてみるか?」


 私は今……この状況が理解できなかった。


「よく撮れてるよなぁ~。気に入られたら、そいつとやってみる?」


 カレは携帯を私に見せ、とてもうれしそうな笑みを浮かべている。そこに映されているのは、私の写メ。でもふつうのものではなく……それは、カレと行為に及んでいる時のもの。

 嫌だったけど、その時のノリというか、気分というのか。

 顔や秘部を隠し、誰にも見せないからということで撮るのを許可したもので。それが今、どうしてこんなふうに言われるのか、頭が追いつかなかった。


「やる、って……」

「んなの、セックスに決まってるだろう?」


 そん、なの……。


「いや、だよ。純さん以外となんて……したくない」


 恋人以外の人となんて、考えられない。

 従った方がいいんじゃないかとか、そんな考えが浮かんだものの。





 これは……絶対に、ダメ。





 従ったら戻れなくなる。危険だというのを、本能で感じた。


「ったく、ただの冗談だってのに。なんでもまともに受け止めるなよな? 少しは流すことを覚えろよ」


 面倒だなと、カレはため息混じりに言葉を吐いた。
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