Liberty〜天使の微笑み
第7話 溢れる思い
次の日、私は朝一番に職員室へ向った。昨日話をしてくれた先生の元へ行き、できた絵を見せてみた。
「一応……描いてみたんですけど」
緊張していると、先生からは、意外にも高評価の言葉が出てきた。
「前に出したのより、今の方がいいな。――気持ちが入ってる」
「そ、そうですか?」
「あぁ。何かいいことでもあったのか?」
どうなんだ? と、からかうように聞いてくる先生に、何でもないですからと言って、この絵をどうするかと聞いた。
「いいと思うぞ。今日中に飾っておいてくれ」
今日中にと言われたけど、私はその足で、展示室へ向った。
「――ちょっと、小さかったかな?」
B5ほどの大きさに描いたから、他の作品に比べるとかなり小さい。
白い額縁に入れると、同じように小さな作品がある棚の端に、イーゼルを立てかけて飾ることにした。
名前は、後からでいいよね。
作者の名前は後にして、教室へ行こうと二号館へ向っている途中――ふと、誰かに見られている気がした。
「?――――!?」
途端、体が硬直した。
道の先にいるのは……私にとって、闇そのものだから。
「クレハ~! もう、電話に出ないから、心配したじゃない」
電話って……。
カバンから携帯を取り出して見ると、確かに昨日、母親から電話がかかっていた。