Liberty〜天使の微笑み
「――――決めた」
灰色の画用紙を立てかけ、パステルを手にする。青を基調とした色を広げ、手や布で擦り、時には練り消しで濃淡を付ける。
雪柳は、流れるようなのが特徴……だから、その流れに逆らわない。
初めてしまえば、自分でも驚くほど夢中に描いていて。一心不乱に、絵に向っていた。
「――――描け、た」
ふぅ~っと力を抜き、両手をだらんと伸ばす。
椅子に背中を預け、できた絵に目を向けた。
「本当に……描けちゃった」
こんなにもあっさり描けてしまったことに、拍子抜けした。
「あ。スプレー……しなくちゃ」
パステルの絵は粉が付くので、仕上げにはそれがかかせない。絵を手にすると、外へ行き、スプレーを吹き付けた。
それからは、一気に絵を仕上げたこともあってか、すぐに眠たくなってしまって。
携帯を見ることもせずに、眠りへとついてしまった。