二重人格
『なんで?
なんで?』
目をキョロキョロさせながら動揺を隠せない。
「なんでかな…しらん。
俺がお前の学校で教育実習するってお姉ちゃんから聞いてないの?」
『聞いてないし。
やだよ、、無理』
涙目になりながらだだをこねるような顔をしたけど、彼は顔色も変えず。
目を細めてこう言った。
「やべっ、早く行かなきゃ遅刻する。
こっちで合ってる?」
あー、もう。
最悪だ。
ただでさえ地味に地味に学校で生きたい私なのに…。
最悪な予感がしまくりだ。
『ちょっと、そっちじゃない!
こっち!』
不機嫌そうに私はスタスタと歩く。
「なんだよっ、違うのか」
『だったらそっち行けば?』
「なんでそんなに冷たいんだよっ
薫待てよ」
クルッとスカートをふわりさせながら振り返る私を目を丸くしながら彼が見る。
『っていうか、なんで呼び捨て?』
「…はっ?
お前だってタメ口じゃん」
『あぁ、そっか』