手の平から


私は隣を見た。



相沢だった。
相沢は前を向いたまま手を私に差し出していた。


私は相沢の手をつねった。


どうして私の癖を知っているかなんてどうでもよかった。




ただ涙を堪えるのに必死だったから……
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