手の平から


「料理できたよ。食べよ。」




香奈が部屋に入ってきて私はパッと相沢の手を離した。
もう涙はすっかりひいた。



「ありがとう……」



消え入りそうな声で私は言った。
相沢は頷いただけだった。
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