手の平から


「わざわざごめんね。ありがとう。ほら遥、相沢君に何か飲み物買ってきなさい。」


そう言ってお母さんは私に五百円をわたした。
こういう所に気が回るのはいつものお母さん。


潤む目を隠して私は部屋を出た。




私はロビーの自動販売機に向かった。


お母さんが無事でよかった。
病室に戻って来てよかった。



相沢がいなかったら自分からお母さんの所に戻れなかったし、無事だとわかってまた泣き出していただろうな……


私は涙の跡を拭った。
泣きすぎできっと今ひどい顔してる……
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