愛してるんだよ。
莉紅ちゃんが俺の制服の裾を引っ張った



「これ…お父さんも褒めてくれたの。よく撮れてるなって…」



と差し出したモノは、文化祭の時の写真だった。



『本当…綺麗に撮れてる』



写真を眺めながら、まるで遠い昔を見ている気分になった。




『ありがとう』



と受け取ると



「どういたしまして」



とニッコリ笑う莉紅ちゃん。



その笑顔が幼い頃の一葉と重なって見えた。




後ろに気配を感じ、振り向くと背の高い男が廊下からこちらを見ていた。


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