愛してるんだよ。
ビックリしたのか、男の雰囲気が怖かったのか、莉紅ちゃんは、相楽先生の方へ走って行った。



よしよしと頭を撫でている先生は、全く動じてない。



寧ろ、面白い事が起きそうだなとでも言うような、イヤミな笑みを俺に向けた。



『何か用ですか?』



男に尋ねると、無言で保健室から出るように指で指示された。



気にくわない…



そう思ったのが先生に聞こえたのか



『矢倉、程々にな』



とクスクス笑われた。



打って変わって莉紅ちゃんは



「お兄ちゃん…怪我しないで…お姉ちゃんが悲しむ…」



と今にも泣きそうな声で俺に言った。



そんな莉紅ちゃんに、ありがとうと笑顔で言って保健室を後にした。


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