それでも君を愛してる
縮まる距離


もうすぐ体育祭。



俺達のクラスでも、種目決めや応援の衣装作りがすすめられていた。






「じゃあクラスに一組の、大事な二人三脚は健人と愛美で決定な!」
体育祭実行委員の大吾の声が教室に響いた。



「なんで健人なんだよ〜!!」
男はブーブーと文句を言っている。



ナイス大吾!


「仕方ねぇだろ。2人がそれぞれトップで足が速いんだから。悔しかったら健人より速く走ってみろ!」


みんな静かになった。




「健ちゃん、あたしでいいの?健人みたく足速くないし…。」
なぜか愛美は、俺のことを健ちゃんと呼ぶようになった。


「大丈夫大丈夫!紗理奈ほどじゃなければ。」


「健人君?聞こえてるわよ。」
紗理奈の視線が痛い。


「紗理奈、足そんなに遅いの?」


「愛美まで〜。」


ふふっと愛美が笑う。



こんなんで萌えるとか俺ヤバすぎ?
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