遙かなる三増合戦
三増合戦いざ参る
本日の朝のことを記す。

今日、因縁の「三増合戦祭り」に参る。
その合戦とは、実に壮絶な戦だったと聞く。
結果、武田軍が勝利し旗を立てたとは聞くが、どちらも悲惨な状況で撤退していったそうだ(どちらが勝ったと言えないとも)。
4千人以上もの兵が命を落とし、山野は屍の山と血で染められ、近くを流れる中津川は朱に染まった。
今でも、その辺りを掘れば、幾らでも白骨となった屍が発掘されるとか。
それにしても、そんな所で祭りをするのでは、それは毎年何かあっても仕方ないというものだ。
それでも、その地に偶然巡り会ったことに運命を感じずにはいられず、私は参加を決意した。
あと数時間後、私は、そんな多くの血の流れた地へと向かう。
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