【続編】長男のカゴ
鈍感なヤキモチ
【善】



振ったつもりなんてねぇんだよ。



俺の気持ちがわかんないから待ってて欲しかっただけなのに。



それを伝える前に怜は俺から逃げてしまった。



「今日は久しぶりの体育ですのでジャージに着替えて体育館に集合してください」



久しぶりの体育だって、怜が気になってどうだっていい。



山田と笑いあってる怜を見てると連れ去りたくなる。



あの時追いかけてりゃよかった…。



何楽しそうに笑ってんの?



あんな風に泣いたくせに…。



もう俺なんかどうだっていいのかよ。



「な~に見つめてんだよ」

「べ、別にそんなんじゃねぇし…」

「お前さ、理論的に考えてね?誰かを好きになるってのは感覚だ」



感覚…。



言葉じゃ説明できないってことか…。



「でも怜、ヘコんだ感じねぇんだもん…」

「そうだな」

「あんまり好きじゃなかったんじゃねぇかな?」

「バカかお前は。自分のことは鈍感だな…」



鈍感!?



俺が!?




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