【続編】長男のカゴ
別荘巡り直前、怜は寮に帰った。



謝るだけの怜と、ロクに話しもしないまま…。



「ケンカでもしたの?」

「別に…してねぇけど…」

「夏休み中いるのかと思ってワクワクしてたのになぁ~」

「なんか…うまく行かねぇんだもん…」

「怜ちゃん、悩んでたもんね」



おおよその見当はついている。



怜は俺の後ろにある『藤間』にビビったんだ。



釣り合ってねぇとか、そんな理由だろう。



俺はちゃんと伝えたよな?



俺と怜の差ってなに?



家柄が悪いとか、そんなもんで恋愛すんのかよ…。



「うちが金持ちだから怜には伝わんないんだろうか…」

「う~ん…」

「留宇はさ、なんで雷なの?」

「単純に好きになったから?それに雷さんがあたしと結婚決めてくれたのって、付き合ってすぐだったし」

「マジで?なんでそんなに早く?」

「それは雷さんに聞いてよ。正直なとこ、時間もなかったんだよね~。一生離れるか、結婚するか。それしかなかったから」



切羽詰まって結婚したのか…。




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