【続編】長男のカゴ
善が藤間になる前…。



たしか…氷流だったような…。



「善君より3歳上。善君が生まれる前に俺は生まれてた」

「なにが…目的…?」

「だってさ、同じ血を引いてんのにイイとこに引き取られて、最後にはあんな大会社の社長でしょ?」

「…………」

「俺なんか母親とふたりで生活してて、その母親が男好き。最後には玉の輿に乗ったけど俺はいらないからポイッとされちゃって」

「善には関係ない!!」

「あははっ!!ごもっとも~」



バカにしてるような口調。



どうしてあたしにそんなこと言うの…?



あたしは善になんて言えばいいの?



「幸せそうな善君見てると…ぶち壊したくなるんだよ」



歪んでる…。



あたしにはない歪み方…。



信じらんない…。



善と雪村君が…兄弟なんて…。



そしたら雷さんの弟ってことにも…なるよね?



「雷さんは…知ってるの…?」

「それ、藤間の社長?知らないでしょ。俺は父親に認知されてないしね」



信じられない…。


< 212 / 360 >

この作品をシェア

pagetop