【続編】長男のカゴ
もう泣かない、だって…
【善】



雪村の親に会った。



プチ留学先にあった雪村の親の会社。



雪村は日本で生まれ、日本から出たことがない。



金次第で入れる学園に入れたのは、親が雪村を野放しにしたくないから。



雪村が生まれた時、俺の本当の父親と雪村の母親は少しの間付き合っていたらしくて。



名前まで着けた後、俺の本当の母親と浮気した。



本当にどうしようもない女好きの親父…。



顔だけはよかったらしいからそれで…。



俺が浮気相手との間にできた子だと言うと、母親はこう言った。



『あの子はあの子で好きにしたらいい』



雪村に対して母親の愛情ってのを全く感じなかった。



俺の本当の母親じゃない留宇は、道を反れたら全力で正そうとしてくれた。



毎日起こしてもらい、毎日暖かいメシを食わせてくれて…。



俺に注いでくれた愛情ってのは、計り知れないほど大きかった…。



それが普通の母親だとも思っていたし…。



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