【続編】長男のカゴ
見上げると優しく笑う結城さんの顔。



「大事なことは大事な人に伝えなければならないと思います」

「はい…」



結城さんのその言葉で善に言うことにした。



ノックした善の部屋。



顔を出したのは善ではなく近野さん。



「外していただけますか?」

「えぇ、では善様、本日はこれで」



近野さんがいなくなった部屋で、善と向かい合った。



なんか変に緊張して来たな…。



「なんだよ、急に改まって」

「あのさ…」

「うん?」

「あたしの将来って…考えたことある?」

「怜の将来?」

「善は卒業したら会社に入るでしょ?あたしはどうするのかなって。なんか…悩んでる…」

「普通にOLとか?」

「そっか…」

「先に言っとくけど、怜と結婚は考えてねぇから」

「…………」

「違う違う!!すぐにって意味!!なんつーか…周りは婚約だのプロポーズだのって言ってっけど、俺的にはそんなのまだ先って感じで…」



だよね…。



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