ロサは侍女になることにした
坑道

日もまだ昇っていない早朝に、ロサは身仕度をすませ、飛舞と梅燕に手紙を書き、薄い桃色の薔薇と木の実を添えて家を出た。

外は朝靄がかかっていて見通しは良くないが、それほど冷えることもなかった。下町の橋を渡り、都市部へと進んだ。都市部は圧迫感のある建物が多く、どこか冷たく感じる。早朝から働く人は皆、忙しそうにしていた。
しばらく進むと都市部の地図が掲示された標識があった。
自分が立っている現在地はルテマという町らしい。

「王宮まで…もう少しか。」
地図を見ながら指折りで計算した結果、ルテマから王宮のシリウスまで、かなり歩くことになる。
軽く息を吐き、シリウスへと歩みを進めると、もみの木の生い茂った森にさしかかった。
先程の地図に、ロッカーの森と載っていた。

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