好きって言えない。


冷たい空に彼の声が響いた。


また、涙が溢れる。




「てか、お前なに誤解してんの?」


誤解?


「さっきの、妹だから。」


え??


あんなに綺麗な人が!?


「それに、他に彼女なんていないから。」


「へ……」


それはどういう意味?


他に?


誰の他に?




「あー、もう!




 お前以外に誰がいんだよ!!」






それって、






「あっ、アタシが彼女なの?」




なんとすっとんきょうな声が口から漏れた。


そんなアタシを目の前にして、彼の顔は少し赤くなってる気がした。







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