好きって言えない。
その日の夜。
アタシは彼の家に言った。
なにも言わずに。
いつもなら、行くとき連絡するんだけど。
もしかしたら、今は彼女といるかもしれない。
アタシはその状況を見て、どうするんだろう。
――ピーンポーン
部屋から軽快なチャイム音が聞こえた。
パタパタ…
「はーい」
高い女の人の声。
次の瞬間には、その女の人が表れた。
「あれ、康太のお友達?」
本当にいたんだ。
彼女……。
「え、ちょっと!?」
考えたら、自然と涙かあふれでてくる。