いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)
*11*
ガラッ!!
ドアを開く。
「春陽……。
わざわざ、来てくれたんだ?」
雪葉は、起きていた。
人工呼吸器を、すぐ側に置いて。
「うん。」
「ごめんね、心配掛けちゃって!大袈裟なんだよ、あの先生。
ただの貧血なのにさっ!」
そう言って、笑う。
「だから私は大丈夫だし、心配しないで、もう帰っていいよ?
明日、仕事あるし早いんでしょ?」
明るい声で言う雪葉に、俺は
「……本当の事、言えよ。」
そう、言っていた。