愛LOVE…
「でも、解せないんだよな」

ふと思い出したように、急にあたしから体を離した直哉は、元の場所に座り直し、長めの前髪を手でかき上げ言った。

「何が?」

「加奈は昔から俺の事ブサイクって言い続けてんだろ?顔だけなら俺なんかよりいい男周りに沢山いるし。その上性格もイマイチな俺を選んだのは何でだ?」

――ブサイクなのは、あんたがそう思い込んでるだけ。

何て今になって弁解する気もない。

「昔から一緒にいたんだから、今更顔なんて関係ないわよ。いつの間にか……す、好きになってたんだもん仕方ないじゃん。文句があるなら、当時のあたしに言いなさいよ!それに直哉の面倒見られる女なんて、後にも先にもあたしくらいよ」

自分で言っといてなんだが、当時のあたしにって……、何とも子供っポイ発言に恥ずかしくなってしまった。

「相変わらず加奈は強気だなぁ。俺の面倒見るなんて、これじゃあどっちが男かわかんねぇや」

腕組みをしながら直哉が言った。
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