社長の溺愛



「……で、どうするんだ?協力してくれるのはありがたいが…」


はっきりいって今の状況じゃどうにも出来ねぇ、警察がだめならヤクザって…



「金貸してんだよ、宮下に」



あぁ、取り立てついでな…



「押し掛けるのか?」


翼がいるからそれだけはやめてほしい…


すると今までクローゼットを漁っていた幸弘が秋也の代わりに返事をした



「それじゃ翼ちゃんが危ないだろ」


「…………」


「だから慎に頼んだんだろ?あいつを『ピンポーン』


幸弘の言葉を遮った軽快な機械音


それは玄関からの音ではなくロビーからの知らせだった


俺の代わりに幸弘が部屋を出た


数分後、幸弘ともう1人が入ってきた


着替えを済ませていた俺は幸弘が出したスーツに身を包ませていた



「夜分遅くに…お邪魔します、社長…と」


既に呼ばれた理由をわかっているようなその青年は、秋也を確認して頭を下げた




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