社長の溺愛



「今日も来てくれたのか、ありがとね」



「ううん……あたしが会いたかったの」



ぎゅうっとしがみつくように抱きつく彼女は心なしか元気がないように見える



「なんかあったのか?」



膝の上に向かい合わせに座った彼女は下を向いて首を振る


なんでもないということなんだろうが明らかに何かある



「翼?言わないとわからないよ」


優しく問いかけると唇を噛み締めて再び首を振る



言いたくないってことか…


無理に聞き出しても意味なんてないけど、なんだか悔しい気持ちが沸き上がる


力になってあげたい…



その思いを感じとったのか彼女は身を寄せ


「ぎゅってして……」



小さくそう呟いた




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