部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

………(5) 最終日


合宿、最終日。


朝、佐紀が目覚めると、布団の中にいた。

驚いて、体を起こし、
キョロキョロ、あたりを見回す佐紀。


  「えっ、なんで?」


思わず、言葉が、口をついて出た。

その声に、桃子以外の皆も、
次々と、目を覚ました。

友理が、佐紀に声をかける。


  「おはようさん」


  「私、勉強してたと、思うんだけど」


すると、梨沙が、起き上がり、


  「サキ、勉強しながら、寝てたじゃん」


  「しかも、ヨダレ、くってたんやで」


  「えー、ウッソー」


  「で、みんなで、運びましたわよ」


  「みんなぁ、ありがとぉー」


  「サキ、結構、重かったよ」


  「えっ、そんなこと、ないよぉ」


  「せやけど、ウチ、嬉しかったわ。

   サキも、スーパーマンやない。
   “ウチと同じ、人間や”って
   わかってんから」


  「同じかどうかは、疑問だけどね」


  「それ、どういう意味やの」



皆、朝の準備をして、ジャージに着替えた。

朝食の時間が、近づいて来たので、


  「じゃあ、モモを、起こさなきゃ」


佐紀がそう言うと、全員、枕を手に取った。

佐紀は、桃子に、声をかけた


  「モモー、朝だよー」


すると桃子は、ガバッと、跳び起きた。


  「なんだ、起きちゃったじゃん。
   つまんない」


歩美は、そう言って、振り上げた枕を、
下に置いた。

皆も、残念そうに、枕を置いた。


  「モモ。もうすぐ、食事だよ。
   準備して」

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