部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

アップも終わりかけた頃、三田が現れた。


  「あっ、コーチだ」


  「よかった、来てくれた」


皆は、走って、三田の周りに集まった。


  「こんにちはー」


  「よし、いよいよ、試合だ。

   インターハイだから、
   緊張するなと言っても、
   難しいかもしれないが、
   大会の名前が違って、
   会場が違うだけだ。

   やる事は、地区大会や県大会と同じ、
   “バスケット”だ。
   特別なことなど、何もない。

   だから、いつも通り、やればいいんだ

   大事なのは、全て出し切る事、
   悔いを、残さない事だ。

   まっ、これも、いつもと同じだがな」


そう笑顔で言って、皆を見ると、
全員、緊張した顔で、三田を見ていた。


  「よし、ちょっと、緊張をほぐそうか。
   笑え、とにかく、笑えっ」


すると、桃子が、


  「そんな、急に言われたって、
   笑えない、ニャン」


そう言った途端、


  「ハハハハハ」


皆から、笑い声が上がった。


桃子は、周りを、キョロキョロ見回し、


  「えっ、受けた?、受けた?」


  「違うよ。ただ、笑ってるだけだよ」


しかし桃子は、満足そうに、
何度も、うなずいた。

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