僕等は野良猫



比奈は僕を


抱きかかえた



そして

ゆっくりと

口を開いた



「…庵は渡さない」



比奈は


父さんに背を向け


庵がいるであろう


部屋の扉を開けた



「お前のような子供になにができる?人を救えるだけの知恵も持たないくせに」



父さんは


クスッと笑った



「…今だけですよ。貴方が笑っていられるのは‥」



比奈は


それだけ言うと


部屋の中に入った



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