パンション~訳あり様の宿屋
襖が開いた。
隙間からは着物姿が不似合いな金髪のお姫様が顔を覗かせていた。
紫色の着物にはピンクのヒラヒラエプロンを装着して手にはお手製ケーキを持っていた。
「シュリちゃんよね、初めまして。わたくし眠り姫と言いますの。ケーキ作ったんですの、ご一緒にいかが?」

この人とは話が合いそうだ。だって挨拶に菓子折り持ってきたからだ。挨拶の基本の基本を普通にやってくれたからだ。
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