キミ色
「はい!これ、櫂にあげる!!」



元気いっぱいそう言うと、聡君は俺の手をぱっと掴んだ。
俺よりはるかに小さな聡君の手。



黄色い傘を落としそうになりながら必死で俺の手を掴む聡君。



まるで、蓮の代わりのように…



とても目なんて見れなくて、俺は手裏剣を掴んですぐにポケットにしまった。



「…ありがとな。」



そう言って頭をポンと叩くと、聡君はまた笑顔になった。



「櫂!!それで僕達を悪い奴等から守ってね!!!」



暗くなってきた道の中でその輝いた笑顔だけが一際光っているように見えた…
その笑顔でまた余計に辛さが増すんだ……



「……………」



どうして…
そんなこと言うんだよ──…



“守って”なんて…



俺なんかに言わないでよ………




「櫂は僕達のヒーローだもん!!」




小さい体で、色んな事を知りすぎるキミは…



世界中の誰よりも強すぎる…───



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