キミ色

見覚えのあるワンピースを見つけたのは､子供の頃よく遊んでいた小川だった。




足を川につけている空羽が目に映る。




ゆっくりと近づき声をかけようとした時､急に男の声がした。



｢空羽ちゃんっ!｣




……時雨…?



咄嗟に隠れた木から少し様子を覗いてみると､横から現れたのは時雨だった。




時雨…
帰ってきてたんだ…




｢何でこんなとこ居るの!?｣




元気良く喋る時雨。
その声が懐かしくて仕方なかった…



｢ちょっと…遊びにきてるの。｣



｢…?こんな田舎に?｣



｢ママの用事で。｣




空羽がそう言うと時雨は満足そうに笑い､空羽の隣に腰をおろした。




俺の家に来てる､とは言わないんだ…




｢あ!ねぇ､ちょっと待ってて。｣



時雨は急にそう言い立ち上がると俺の隠れている木の方向へと走ってきた。



当然のように空羽もこっちを向いた。




やばい､見つかる…