すべては数直線の上に+詩集
そんなことを考えながら、ほろ酔い気分の酔っ払いは時に体をユラユラ揺らしながら、目的地にたどりついた。
コンビニに入ると、ユウタは缶ビールを三本と、つまみとしてチーズ鱈、ビーフジャーキー、そして鶏ささみの燻製を買った。

レジには男性店員がいた。
若い男性だ、大学生くらいだろうか…。
髪は茶色に染められ、センター分けで肩くらいまで伸びていた。
ユウタが買い物かごをレジに乗せると、男性店員が気持ちよい声で、いらっしゃいませ、ありがとうございます!と言ってくれた。
外見とは裏腹にとても感じのよい青年だった。
レジの去り際に、彼の耳にピアスが四つほどぶら下がっているのが見えた。

コンビニを出るとユウタは駅の近くにある公園へ向かった。
公園までは足元を街灯が照らしてくれたが、公園自体は薄暗く、内部にあるトイレだけがその入り口を灯りに照らされ明るく光っていた。

公園にはベンチが二脚、滑り台とブランコが四つ
…そして砂場。
公園の周りには五階建てのマンションが二棟建っている。
昼間は子供を連れたお母さんたちが、きっとこの公園に集まるのだろう。
子供たちが無邪気に遊び、母親たちが世間話や身の上話で盛り上がるのだろう。

ユウタはそんな昼間の公園を想像しながら、一本目の缶ビールの蓋を開けた。

ビールが喉を通り胃へと流れ込む。
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