すべては数直線の上に+詩集
ユウタは思い出した。
小さい頃、よく母に連れられて家の近くの公園へ行ったものだった。
おそらく今ユウタがいるこの公園と同じくらいの大きさだった。
まだ幼いユウタには当時その公園がとてつもなく広く感じた。
そんな風に昔のことを考えていたときだった。
ユウタの耳に音が入り込んできた。
それほど大きな音ではない。
むしろ小さく、深夜で辺りが静かだからこそ聞こえる…その程度のささやかな音量だった。
何の音やろ?
ユウタは缶ビールを飲みながら耳を澄まし、聞こえてくる音に神経を集中させた。
どうやら音はユウタの背後から聞こえてくるようだ。
駅の方か…。
どうやら誰かがギターを弾きながら歌っているようだった。
一本目の缶ビールを飲み終えたユウタは、ベンチから立ち上がり、空き缶を公園のくずかごに投げ入れ、残った二本の缶ビールとつまみの入ったコンビニのロゴがプリントされたビニール袋を右手に持ち、聞こえてくる音の方へ歩き始めた。
(つづく)
小さい頃、よく母に連れられて家の近くの公園へ行ったものだった。
おそらく今ユウタがいるこの公園と同じくらいの大きさだった。
まだ幼いユウタには当時その公園がとてつもなく広く感じた。
そんな風に昔のことを考えていたときだった。
ユウタの耳に音が入り込んできた。
それほど大きな音ではない。
むしろ小さく、深夜で辺りが静かだからこそ聞こえる…その程度のささやかな音量だった。
何の音やろ?
ユウタは缶ビールを飲みながら耳を澄まし、聞こえてくる音に神経を集中させた。
どうやら音はユウタの背後から聞こえてくるようだ。
駅の方か…。
どうやら誰かがギターを弾きながら歌っているようだった。
一本目の缶ビールを飲み終えたユウタは、ベンチから立ち上がり、空き缶を公園のくずかごに投げ入れ、残った二本の缶ビールとつまみの入ったコンビニのロゴがプリントされたビニール袋を右手に持ち、聞こえてくる音の方へ歩き始めた。
(つづく)