すべては数直線の上に+詩集
そのとき、僕の背中に水の粒が幾つか落ちてきた。
まずい...とうとう雨が降ってきた。

僕は近くに建っている高層ビルに避難しようと思い、そちらに進路を変えた。

蟻の集団は次々に手に持っている傘を広げ始める。
なかには傘を持たないものもいて、彼らは雨を凌げる場所を目指し走って行く。

傘を広げた蟻の集団を上空から見ると、それらは色とりどりの花のように見えた。
雨の中に咲く花、綺麗だ。

さてさて僕も急がなきゃ。
自慢の羽が濡れてしまう。

...まったく、なんてひどい世界だ。
< 51 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop